妥協を許さない工程は600年間変わらない堺打包丁は鍛冶、刃付、柄付など分業で成り立っています。
製造工程の流れをご紹介します。
Contents
製造工程
①刃金付け
地金(軟鉄)と刃金(鋼)を接着し、赤く熱した地金を叩き刃金と合わせ、火造りしていきます。
②先付け、切り落とし
火造りした材料を動力ハンマーで叩きながら形を整え地金と刃金を馴染ませて伸ばす。形になったらタガネを入れて切り落とします。
③中子とり、整形
再び炉に入れて熱しハンマーで整形、叩きながら柄になる部分を作ります。
④焼き戻し
整形できた包丁をわらの中にいれ徐々に熱をさまします
⑤荒叩き、裏すき
冷ました包丁の表面の酸化皮膜を剥がして荒叩き後グラインダーで裏(刃金が付いてる側)を研磨していきます。
⑥仕上げ、立ち回し、歪みとり
さらにハンマーで全体を叩きならしていき、この工程により包丁が鍛えられ鉄が打ちしめられると同時にひずみやゆがみを取ります。
⑦刻印打ち、摺り廻し
刻印打ちと摺り廻された包丁を再度ハンマーでねじれなどの修整します。
⑧泥塗り、焼き入れ
油分や汚れをとり焼きムラをおさえるため泥を塗ります。
その後炉の余熱で乾かし750~800度に加熱。そして一気に水につけ熱をります。
この時に泥を塗っていると大きな泡ができず均等に焼きを入れることが可能になります。焼き入れにより、刃金の硬度が高まります。
研ぎ工程
①荒研ぎ
縦砥石を使って地全体の汚れを取り除きます。木型を使い、地を砥石に押し当てて、刃の部分を薄く研ぎます。
②裏すき
鋭い切れ味の片刃包丁の鍵となる裏側のゆるやかなへこみ。
ハンマーやタガネで調整します。
③平研ぎ
厚さを決める為、包丁の平らの部分(ニンニクなどを潰す時に使う所)から包丁の背(刃がついている部分と反対)にかけて平らになるように研ぎます。
④本研ぎし
目の細かい砥石で研ぎ、包丁の刃の角度を決めていきます。
バフをかけ、さらに刃をうすく研ぎバフの目を細かく仕上げていきます。
⑤木戸当て
松の木を用いた回砥でツヤを出しゆがみを調整します。
⑥仕上げ
鉄粉をかけ特殊なゴム片で擦り「カスミ研ぎ」を施し鋼の部分を際立たせます
鍛冶職人は叩いて叩いて叩くです。研ぎ職人は研いで研いで研ぐ
私が訪問した所は鍛冶、研ぎが終った所でしたので、是非鍛冶の工程の見学に行ってみたいです。