もっとも身近なシュリンクレザーの基本的な知識に触れつつお手入れ方法を書いていきます。
「革の仕上」げではサラッと触れる程度でしたが、ここではもう少し踏み込んでシュリンクレザーの事を知って頂けたらなと思います。
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シュリンクレザーとは?
英語で[Shrink]-縮む
シュリンクレザーとは、鞣しの段階で特殊な薬品につけることで、革の表面を収縮させて独特のシボ(シワ)を出した加工を施した革です。
鞣し工程の途中、革を濃いタンニン液に着けると、吟面層と皮下層は繊維組織が違うため、吟面のみが収縮作用をおこします。
これをシュリンク加工といい、革製品特有の傷やシワを目立ちにくくするという役割もあります。
型押しシュリンクと言う技法もありますが、最近は風合いをよりよく仕上げる為に薬品を用いたシュリンクが主流です。
シュリンクレザーの特徴
シボ(シワ)によって生まれる独特の風合い
収縮剤を使って革を縮ませることで、シボが出来上がります。このシボこそ、シュリンクレザーの大きな魅力の1つ。
ナチュラルなシボによって革全体が上品かつ柔らかい雰囲気に。
良質であればあるほど、シボ目の出方も美しくなります。
傷が目立ちにくい
シュリンクレザーのもう一つの特徴は傷の目立ちにくさ。
一般的なレザーの場合、使っているうちに表面が傷だらけになってしまいますが、シュリンクレザーなら表面のシボ目のおかげで傷が目立ちにくく綺麗な状態を維持できます。
シュリンクレザーのお手入れ方法
メンテナンス方法をご紹介します。
防水スプレー
濡れたまま放って置くと色落ちやシミが発生してしまいます。
そうなる前にアイテムに防水スプレーを吹きかけましょう。30㎝話した所からムラができないように噴射するのがポイントです。
布とブラシを使って汚れを取る
革製品を使っていると表面にほこりや汚れが付いてしまいます。
そんな時は乾いた布を撫でるように拭き取りまた、馬毛ブラシを使うのもオススメです。
クリームを使って栄養補給
シュリンクレザーは傷に強いというメリットがありますが、だからと言って雑にあつかっては折角の風合いを損なわれてしまう可能性も。
クリームを少量取ったら、クロスを使って全体に満遍なく塗ります。
身近なレザーの1つシュリンクレザーについて紹介しました。
水や湿気に弱くお手入れしないで放置しておくとシミになったり、汗や雨が原因で色移りしてしまうことも。また、高温の場所などに放置していると、変形してしまい風合いを損ねてしまう恐れがあるので、夏場の使用は気をつけましょう。
シュリンクにオススメ:アニリン仕上げに適したお手入れ