なめしの工程で皮は革へと変化しますが、そのままでは傷があったり部位によっては繊維の密度が異なっていたりと、天然ならではのばらつきがあります。
そこで仕上げでは傷をめだたなくしたり使用目的に合わせたりします。
革の仕上げ方法の違いを紹介します。
Contents
仕上げ前作業
染色
革に色を染色には2種類の薬剤を使います。塗料に漬け込んで染色とスプレーで吹き付けて染色とあります。
染料仕上げ
革の繊維の奥まで染める方法。
塗料の入ったピット(プールのような凹)に漬け浸透しやすく見た目の自然な風合いを損なわない染め方。カーフやキップなど表面のキメが整った傷の少ない革に施すことが多いです。経年変化を楽しめますが、耐水性が低いので、色落ちしやすいのがデメリットです。
顔料仕上げ
革の上に色を乗せる方法。
スプレーで吹き付け着色になるので鮮やかな色が出やすく、色落ちもしにくいです。傷のある革などは、表面をフラットにすることが可能です。染料よりも革の自然な風合いが落ちます。
革を柔らかくする
そのままでも革としては使えます。柔らかくしなやかに仕上げる方が色々な製品に加工するので便利です。
加脂
革に脂を加えることで鞣し後の革の繊維が乾燥により硬くなるのを防ぎます。
空打ち
なめした革を、水を入れないドラムで再度入れて空のまま回転させ、革をしなやかにする方法。
機械に革を挟んで激しく振って強制的に柔らかくする方法。
ツヤを出す仕上げ作業
アニリン仕上げ
塗膜の透明度が最も高く、革の銀面の特徴がはっきり見える仕上げです。
傷のない上質な革に施すことが多いです。
オススメ:アニリン仕上げについて詳しくはコチラ
セミアニリン仕上げ
基本はアニリン仕上げと同じですが、革の傷を隠したり色を均一に染めるため顔料を少し混ぜて使用してます。
カバーリング仕上げ
顔料をメインに使用し、塗膜の透明度は低いタイプ。重たく色調の透明度が低い、べたっとしたツヤがでます。ホワイトは顔料のカバーリング仕上げでしかだせません
ここでは、仕上げ前の工程を一緒に学びました。
次は革の仕上げについてです。